常設展

常設展示室1
「紅」を知る

紅花の花びらから赤色色素を抽出して作られる「紅」。古来、染料や化粧料などに供された紅は、江戸時代に産業として隆盛を迎えます。ここでは、紅花の生産・流通をはじめ、紅屋の商い(広告宣伝・販売活動)、紅づくりの様子、紅にまつわる習俗を模型や動画・関連資料とあわせてご覧いただけます。

常設展1のイメージ
紅問屋伊勢半の想定復元模型(復元年代:明治時代前期、縮尺:1/30)

紅問屋伊勢半の想定復元模型
(復元年代:明治時代前期、縮尺:1/30)

江戸の物流の拠点として発展した日本橋小舟町。紅問屋伊勢半はこの地に創業しました。江戸から明治の町割図や『東京商工博覧絵』(1885年刊)などを参考に、店先や紅場(紅づくりを行う空間)の様子を想定復元しました。

紅づくりの道具

紅づくりの道具

紅づくりとは、紅花(紅餅)から赤色色素を抽出し精製する一連の作業のことです。赤色色素の吸着・脱着に不可欠なゾク(麻の束)、濃縮紅液を濾すための蒸篭(せいろ)、紅を保管したり卸売したりする際に用いた紅箱など、紅屋に伝わる道具類です。

守巾着 江戸時代後期~明治時代

守巾着
江戸時代後期~明治時代

医療が未発達な時代において、病の治癒を願い、あるいは魔除けの意味をもって使用された紅。とくに江戸時代は、産育儀礼と天然痘(疱瘡)をめぐり、紅・朱・緋などの赤色を信仰した例を見出せます。幼児が身に付けた守巾着や紅摺りの疱瘡絵など、魔除けアイテムを紹介しています。


常設展示室2
「化粧」の歩み

江戸時代を中心に、日本の化粧の歴史を振り返ります。江戸の女性が実際使っていた化粧道具や浮世絵などの絵画資料から、赤(口紅や頬紅など)、白(白粉)、黒(眉墨やお歯黒)の三色で極めた化粧術を紹介します。また、江戸時代の「紅猪口」から昭和時代の「リップスティック」までの紅の移り変わりを概観することができます。

常設展2のイメージ
鏡台と化粧道具類 江戸時代後期~明治時代前期

鏡台と化粧道具類
江戸時代後期~明治時代前期

一般的に江戸時代の女性が化粧をする時は、漆塗りの箱型鏡台を用いました。箱型鏡台は天板に鏡をセットできる穴が開いていて、そこに鏡立てを取り付けてから鏡箱ごと鏡を掛けて使います。
鏡台前で化粧する女性が描かれた浮世絵には、鏡台とその周辺に化粧道具や結髪道具、房楊枝、化粧水なども描かれています。絵画資料を参考に、それらの再現展示を行なっています。

「四季ノ内 冬(部分)」五渡亭国貞 画 文政期(1818-30)

「四季ノ内 冬」(部分)
五渡亭国貞 画 文政期(1818-30)

浮世絵は江戸時代の化粧の有り様を知る上で欠かせない資料です。本資料は合わせ鏡で衿足や髪の具合を確認している女性が描かれており、床にはお歯黒道具一式や白粉「美艶仙女香」の包みが確認できます。このような描写から当時の化粧の様子を読み解いていきます。

「口紅・頬紅類」明治時代後期~昭和時代中期

口紅・頬紅類
明治時代後期~昭和時代中期

リップスティック型の口紅が国産化されるのは大正時代に入ってからです。口紅ケースは、紅を底から突き出す「押し上げ式」→容器に付いている突起を押し上げて紅を出す「押し出し式」→現在主流となっている「繰り出し式」へと変化していきます。
近代の口紅と頬紅の変遷、そしてそのほかの化粧品の発展をたどります。


紅猪口・白粉三段重
<紅デジタルライブラリー>
タブレットで、江戸時代に刊行された美容書や各社化粧品カタログ、伊勢半社史関連資料(CM等)などをご覧いただけます。