講座・イベント

「疱瘡絵からはじめる歴史ワークショップ」
~感染症の歴史に見る科学と信仰のあいだ~


紅ミュージアムの常設展示室では赤摺りの「痘瘡絵」を展示しています。
「疱瘡絵」が江戸時代に多く出回った理由の一つに、当時の天然痘(痘瘡)に対する医学的な予防や治療の手段が、種痘が徐々に特定の地域に広まりつつあったものの、まだまだ限定的なものだったということがあります。
多くの感染症は、最初の流行時には医学的に打つ手はほとんどなく、人々は神頼みや民俗的な風習によって対応を試みました。
それは、感染症や医学・公衆衛生の歴史にとって決して過去のことではなく、新型コロナウイルス感染症に翻弄された現代においても、私たちは経験したのではないでしょうか。
 
歴史の中で、人々は感染症の流行に際して、その場・その時ごとに取りうる手段を、科学や信仰のなかに求めてきました。
どの感染症に対して、どういう理由で、どのような対処法がとられたのか。
今回のワークショップでは、この問いを歴史から学んでいきます。
コロナが収束に向かっている今、改めて感染症の歴史について考えてみましょう。
 
●日 時:2023年12月9日(土)14:00~15:30
●講 師:高林陽展氏(立教大学文学部史学科・准教授)
●定 員:16名(先着順)
●参加費:500円
●申込方法:こちらのウェブサイト(Airリザーブ)よりお申し込みください。
●申込受付開始:11月8日(水)10:00より
 
【講師略歴】
高林陽展氏(立教大学文学部史学科・准教授)
立教大学で西洋史を学び、その後ロンドン大学ウェルカム医学史研究所で博士号(医学史)を取得。19~20世紀イギリスにおける医学や病の歴史を研究してきた。その研究の射程は精神医療、戦争と医学、痛みや感覚、体温計、鉛中毒など幅広く、医療ミュージアム論など現代の問題も研究している。主著に『精神医療、脱施設化の起源-英国の精神科医と専門職としての発展 1890-1930』(みすず書房、2017年)がある。また近年は、医学史研究者や高等学校の教員と協同で『高校でまなぶ感染症の歴史-歴史総合でつかえる教材集』という高校向けの感染症の歴史教材を制作し、ウェブ上で公開している。
 
*画像出展
Edward Jenner vaccinating patients in the Smallpox and Inoculation Hospital at St.Pancras: the patients develop features of cows. Coloured etching, 1803, after J. Gillray, 1802. Wellcome Collection. Public Domain Mark. Source: Wellcome Collection.

 
お電話でのお問い合わせは03-5467-3735(紅ミュージアム)までお願いします。