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宇和島伊達家伝来品・十種香箱復元制作プロジェクト報告展 開催のお知らせ

伊勢半本店 紅ミュージアムでは、2011年10月1日(土)より10月30日(日)まで、- 宇和島伊達家伝来品・十種香箱復元制作プロジェクト報告展 -『工藝の再結晶 – 江戸期工人の軌跡を辿った香道具復元制作』を開催いたします。
 
本展は、江戸中期の大名調度を現代工人の手で復元制作するべく、2009年冬に若手を中心とした総勢30数名で始動したプロジェクトの全貌を報告するものです。復元対象は、宇和島藩伊達家に伝わる「十種香箱」のひとつ『黒塗御紋散梅に竹文蒔絵香道具箱』。このたびの制作を通じて学んだ江戸時代の技と作り手の心、そして試行錯誤を繰り返して完成に至った過程を振り返りつつ、気品ある原品と復元作品をご覧いただきます。
 
大名調度の繊細さ・美しさ・力強さを、そして日本工藝の底力を、またとないこの機会にぜひ、紅ミュージアムでご堪能ください。
 
本展観覧料は、この度の震災で被害を受けた文化財修復のための義援金として、全額寄付いたします。
本プロジェクトには、4年前に大きな地震に見舞われた石川県・輪島市在住の方々が多く参加しています。かつ、今回復元した十種香箱は、仙台伊達家に縁のある、宇和島伊達家伝来の品です。このような巡り合わせの中でプロジェクトを進めてきたことに、ひとかたならぬ意味を感じ、ささやかながら東北復興の一助となればと考えています。
  
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– 宇和島伊達家伝来品・十種香箱復元制作プロジェクト報告展 –
『工藝の再結晶 – 江戸期工人の軌跡を辿った香道具復元制作』
 
会 期:2011年10月1日(土)~10月30日(日)
会 場:伊勢半本店 紅ミュージアム
観覧料:300円
開館時間:午前11時~午後7時(最終日は午後5時まで)
※いずれも入館は閉館30分前まで。
休館日:毎週月曜日 (ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)が休館)
協 力:公益財団法人宇和島伊達文化保存会・石川県輪島漆芸美術館・石川県を主とする工芸家諸氏・香老舗 松栄堂
後 援:石川県
 
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十種香箱とは、「組香」に必要な道具一式を収めたもので、漆工・金工・陶器・表具・採絵など、工藝の多分野の技が集結して作られています。趣向を凝らした意匠と機能美が共存し、絶対的な調和を表現しているこの道具を写すということは、単なる形のコピーに留まらず、かつての工人が注いだ「技」と制作にかけた「心」とを、道具を通じて学び、伝承・昇華させていくことを意味しています。本プロジェクトでは、個々人の技量の研鑽はもちろん、異なる多分野の工人が一堂に会し、ひとつの作品を作り上げていく「体制」と「過程」を追体験することとなりました。この軌跡を辿ることで得られた写すことの意義と全貌を、本展でご覧いただきます。
 

(公財)宇和島伊達文化保存会所蔵
黒塗御紋散梅に竹文蒔絵香道具箱(一部)