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企画展「近代香粧品なぞらえ博覧会-舶来エッセンスを使った和製洋風美のつくりかた-」開催中

現在、伊勢半本店 紅ミュージアムにて開催中の企画展「近代香粧品なぞらえ博覧会-舶来エッセンスを使った和製洋風美のつくりかた-」は、もうご覧いただけましたでしょうか?
 
今年は、大政奉還が行われ、日本が近代国家として歩み始めてちょうど150年の節目の年。
近代に入ると、欧米諸国からさまざまなモノや技術が伝わり、日本の産業に多大な影響を与えました。
香粧品(香料や化粧品)も然り。
魅力的なパッケージ、豊かな香気をもつ外国製品は、日本人憧れの的となりました。
本展では、明治~昭和初期の国産香粧品と、その生い立ちの源泉となった外国製品、そして関連印刷物をご紹介しています。
 

 
明治初期、外国からもたらされた香粧品は、それまでの国産のものとは全く違うものでした。
政府の欧化政策のもと、日本の化粧品会社は、まずは“真似て学ぶ”ことから始めました。
どのようなところから真似ていったかというと、容器やラベルなどの「視覚」の部分、そして香り、つまり「嗅覚」の部分です。
江戸時代からの化粧品の容器の変遷や、近代、日本人が憧れ、化粧品に使った香料は何の香りだったのか、ぜひ企画展でご覧ください。
 

 
紅ミュージアムの常設展では、江戸時代の化粧文化をご紹介していますが、江戸時代の化粧に使われた色は赤・白・黒の3色のみ。
白粉で白く塗った肌に、黒く染めた歯が覗くその様子が“様式美”とされていましたが、近代に入ると、その美は前時代的なものと否定されていきます。
お歯黒を止めた女性達は健康美・素肌美に目覚めていき、スキンケアに力を入れていきます。
数々のスキンケア製品とともに、江戸時代の有害な白粉からの脱却、そして色つき白粉の登場の過程にもご注目ください。
 

 
その他、舶来品に学んだ、国産香粧品の商業デザインの成長を感じられるラベルやパッケージ、印刷物や販促物は見ているだけでも楽しいです。
そして、紅が、近代に入りどのように変化していったのか(それとも変化しなかったのか?)にも注目です!
 

 
展示の最後には体験コーナーがあります。
伊勢半本店6代目社主による、昭和9年の処方をもとに再現した棒紅や煉紅の色をご覧いただくことができます。
また、資生堂さんが大正6年に発売した「資生堂七色粉白粉」の復刻版もお試しいただけます。
 

 
本展のちょっとドキッとするキャッチコピー。
「パクり?コピー? いいえ、これはリスペクトです!」
 
パクりやコピーと言ってしまうと、軽々しく聞こえてしまいますが、現代のようなガラス瓶や箱などの製造技術がない時代、業界先達者の貪欲な学びや、欧米に劣らぬものを作り出そうという熱意が国産香粧品の発展を支えてきました。
その成長の道のりを、ぜひご覧ください!
 
 
企画展「近代香粧品なぞらえ博覧会-舶来エッセンスを使った和製洋風美のつくりかた-」
会 期:2017年10月21日(土)~12月10日(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
観覧料:一般 600円
※中学生以下と障害者手帳提示者ならびに同伴者1名は無料。
※観覧料と引き換えに、もれなく企画展パンフレットが付きます。
※各種割引あり。
 
 
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