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企画展「ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!」

会期:2022年10月18日(火)~ 12月11日(日)
 

 
 
実物をよく写し、小さくつくられたもの。日本では、モノや世界観を縮小化することに親しんできた歴史が長く、すでに縄文時代にはミニチュア祭祀具の存在が認められます。
 
ミニチュアには、一定の縮尺で再現したものと、縮尺に統一性はなくとも再現する対象の特徴を巧みに抽出し、造形のバランスに注力したものとがあります。前者は建築模型や雛型、ドールハウスなどであり、後者はままごと道具や人形、節句飾りの雛道具、箱庭などが挙げられます。また、縮小化の背景には、子どもの手遊びとして求められた実用性や、大人の鑑賞のまなざしに呼応してより小さなことに傾倒していった嗜好性などがみられます。
 
例えば、ままごと遊びに用いられた調理器具や食器、茶器類は、子どもが遊びながら学ぶツール、家庭教育の教材としての意味を持つ玩具です。これらは、「小さい」といえど手に持って遊ぶことのできるサイズを維持したものです。一方、大人が求めたミニチュアは、遊ぶことを目的とせず、一寸に満たないような規模の中で細部の造作や動きの再現性などにこだわり、見ること・愛でることに重きを置いた、いわば工芸玩具といえるものです。そのこだわりは、何気ない日用品の縮小化にも反映されるものでした。
 
本展では、江戸時代から昭和時代にかけて製作されたままごと道具やミニチュア台所道具類を中心に、子どもと大人、それぞれの用途と嗜好を探ります。ミニチュアは使用者・所有者、時に製作者の姿を雄弁に語ります。同時にまた、それを手にした者たちがかつて見た景色や時代を今日に伝える資料でもあります。小さなものが写し出す、時代と興趣をご覧ください。
 



■ 会期      2022年10月18日(火) - 12月11日(日)
■ 休館日      毎週月曜日 ※企画展開催中は日曜・祝日も開館します
■ 開館時間 10:00 - 17:00(入館は16:30まで)
■ 企画展観覧料 ①一般600円 ②限定小冊子付800円
  ※中学生以下、障害者手帳所持者及びその同伴者1名まで無料
■ 協力 (一財)大阪市文化財協会、大阪歴史博物館、川内コレクション、
  東京大学埋蔵文化財調査室、日本玩具博物館、吉德資料室
■ 後援 (一社)日本人形玩具学会


※新型コロナウィルス感染予防・拡大防止のため、予定を変更・中止する場合がございます。
最新の情報は<新着情報>をご確認ください。
 


 
◆展示資料
 

磁器製ミニチュア食器類 江戸時代後期~明治時代初期 川内コレクション
 

陶器製ミニチュア食器類 明治時代 川内コレクション
 

大深町遺跡(梅田墓)出土のミニチュア炊事道具 江戸時代末期~明治時代 (一財)大阪市文化財協会蔵
 

東京大学本郷構内遺跡出土の急須 江戸時代後期 東京大学埋蔵文化財調査室蔵
 

ままごと道具セット 昭和10年代 日本玩具博物館蔵
 

ままごと道具〈ブリキ製調理器具〉 昭和20年代 日本玩具博物館蔵
 

ミニチュア化粧道具〈白粉重 油壺 紅猪口〉 大正時代後期~昭和時代初期 当館蔵
 

台所道具 万延元年(1860) 七澤屋製 個人蔵



◆〈販売終了〉企画展小冊子

ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!

販売価格:¥500(税込¥550)
発行年:2022年
ページ数:全カラー14ページ
サイズ:A5
 



◆併催イベント

[開催終了]記念講演会「日本ミニチュア略史」

2022年11月12日(土)14:00~15:00
講師:林 直輝(はやし なおてる)氏 [日本人形文化研究所 所長]
定員:会場12名、オンライン(Zoom配信)80名
参加費:500円(企画展は別途観覧料が必要です)
詳細はこちら